桜の美しい4月の日曜日、京都市内から高山寺方面へ分け入り、
景色が山桜から北山杉に変わり、しばらくすると
西川千麗さんの舞山荘が現れました

舞踊家である西川千麗さんが
河合隼雄『明恵 夢を生きる』に感銘を受けて
創作された「阿留辺幾夜宇和」

あるべきようわ

河合隼雄が「お話」をし、
千麗さんが舞う
その舞台は海外でも公演されました

2007年に河合隼雄が、2012年に千麗さんが亡くなられ、
この作品は、二人の大きな存在を失いました

しかしこのたび、この作品の重要な構成要素である
音楽を、もういちど上演しようと
千麗の會の方々の主催により、コンサートが開催されたのです

舞台は、河合俊雄代表理事のお話ではじまりました

千麗さんも河合隼雄も、簡単に真似したり受け継いだりすることができないような
特別な存在だった
だからこそ、お二人が生きていてくれることが大きかったのです・・

しかし、今日、音楽により
二人の亡き魂がここに現前することを期待しています

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闇の中からひとつの光が現れます

ハープ、バイオリンなどの洋楽器
和太鼓や琴などの和楽器
たくさんの打楽器

音が重なり、広がり、渦になり、
生と死、夢と現実、自己と世界の境界は意味を失い
その瞬間
小さな山荘の舞台は世界のすべてになりました

それは
明恵上人にひかれた二人の先人の魂が
今も私たちと共にあることを実感した瞬間でもあったのかもしれません

千麗さんのこころを、魂を、引き継ごうとされている
千麗の會の皆様に心より敬意を表します