2026年1月31日(土)と2月2日(月)に、NHKのEテレで

現代ジャーナル『河合隼雄の最終講義~こころを探る~』が放送されました。

これは、1992年3月で河合隼雄が京都大学を退官するにあたり京都大学で行われた、

河合隼雄の最終講義に、NHKのカメラが入り、番組のために編集された上で、

後日放送されたものでした。

それがこのたび、34年ぶりに、地上波で再放送されました。

 

 

この機に、大勢の方にオンタイムの放送を、あるいは録画で、

NHK ONEの配信サービスでご覧いただくことができたこと、

そしてたくさんの方々から反響をいただいたことは、

当財団としてもとても嬉しく思います。

 

何よりも、2006年夏に河合隼雄が倒れてより20年の月日が経ち、

河合隼雄に直接会ったことはないけれど、

本などを通じて河合隼雄に出会い、

著作からその思想や考えに親しく触れてきたものの、

実際にその語る姿や様子を見たことがないという方々も年々増えてきています。

実際に話しをしている姿を見たことのない方々にとっては、

初めて河合隼雄の話す様子、

あるいは沈黙する様子をありありと見ることができたでしょうし、

かつて河合隼雄の講演や講義に参加した経験のある人にとっても、

あらためて河合隼雄の息遣いや間を感じる、たいへん貴重な機会だったのではないでしょうか。

 

映像は、30年以上前の百万遍の交差点の方から

京都大学に向かって歩いてくる河合隼雄をとらえるところから始まり、

河合自身の研究室の鍵を開け、これからの講演のためのスライドチェックなど、

裏側の様子も垣間見ることができ、なんとも言えない感慨が湧き上がります。 

そして、最終講義には、たくさんの学生、教職員のみならず、

河合隼雄ゆかりの外部の方々も聴講に訪れている熱気が画面から伝わってきます。

 

講義では、「コンステレーション constellation」をテーマにして展開し、

その語源の解説から始まります。京都大学の講義ということですから、

どれほど難解な話だろうと緊張も走りますが、

なんと、長新太さんの絵本『ブタヤマさんたら、ブタヤマさん』がスライドで紹介されるなど、

なんとも硬軟、緩急豊かな、生き生きとした講義にどんどん引き込まれていきます。

 

母なるものの元型について、コンステレーションから意味を見出すこと、

全人的な関わり、共時性、物語、マンダラなど、

限られた時間のなかにも、河合隼雄にとって重要なキーワードが網羅された、

充実の講義であったことが、45分に編集された番組からも伝わってきました。

 

 

この最終講義の全内容は、

『こころの最終講義』(新潮文庫,2013年)

に収録されています。放送や配信を見逃した方も、

あるいは最終講義の復習として、ぜひ読まれみてはいかがでしょうか。