中沢新一対談集『惑星の風景』が
青土社より発刊されました。

意外にも、これは中沢新一氏(明治大学野生の科学研究所、河合隼雄学芸賞選考委員)、初の対談集。

惑星の風景

著者あとがきによれば、
「今日の時点から見ても語り合っている内容がまったく古びていないと思われるものだけを精選して、一冊に編んでみた」ものであるそうです。

この中には「イニシエーションの知恵」と題された
河合隼雄との対談も収録されています。
イニシエーションと心理療法の深いつながりと違いについて議論しつつ、
サイコセラピーにおける知の本質的なわかりにくさについて
話は及びます。

河合隼雄は、日常的な言葉で、わかりやすく語ることのできる稀有な人でもありましたが、
本質的にはそれほど単純なものではないということをわかっていた人でもあるのでしょう。

中沢氏との対話では、そのような深い次元で二人が理解しあっていたことがうかがえます。

また、それに続いて河合俊雄代表理事との対談
「河合隼雄は思想家である」も本書には収録されています。

二人が河合隼雄という「マイスター」を前にして
どのような覚悟をもって、どのような仕事をしていこうとしているのか、
そのやりとりは読み応えがあります。

その他にも、クロード・レヴィ=ストロース、吉本隆明、養老孟司、中村桂子・・・
と豪華な顔ぶれが揃います。

対話から新たなものが生まれてくる知の興奮をぜひご堪能ください。