一般社団法人 河合隼雄財団 | KAWAI HAYAO FOUNDATION

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一般財団法人 河合隼雄財団ロゴマーク

当財団のロゴマークは、画家・装幀家・絵本作家の安野光雅氏に描いていただきました。
安野氏は生前の河合隼雄と交流が深く、多くの著書の装幀を手がけられています。
ロゴマークと河合隼雄について、週刊朝日2013年1月25日号の安野氏のエッセイ「逢えてよかった」で紹介されました。

新着情報

第5回河合隼雄物語賞が決定いたしました!

第5回河合隼雄物語賞

〈選考委員〉上橋菜穂子 小川洋子 後藤正治 中島京子 (五十音順)

 

□授賞作品□

『あひる』   (2016年11月 書肆侃侃房)

今村夏子(いまむら・なつこ)

 

 

□著者略歴□

一九八〇年広島県生まれ。二〇一〇年『あたらしい娘』で第26回太宰治賞を受賞。「こちらあみ子」と改題、同作と新作中短編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で二〇一一年に第24回三島由紀夫賞受賞。二〇一六年文学ムック「たべるのがおそいvol.1」掲載の「あひる」が二〇一六年上半期芥川賞候補となり、のちに単行本化された。

 

□授賞理由□

奇妙な世界を描いているようでありながら、実はありのままが描かれている不気味さがある。

物語の元型的な力を認識させる作品である。

 

□今村さんの受賞コメント□

ありがとうございます。これからも書き続けていきたいです。

 

※正式な受賞の言葉や選評は「新潮」8月号(7月7日発売)誌上で発表いたします。

学芸賞の記事はこちら

また、今年から「Webでも考える人」でも授賞作を発表しております。

※現在は、サイトリニューアルし、「考える人」で引き続き掲載されております。

ぜひそちらもごらんください!

第5回河合隼雄学芸賞が決定いたしました!

第5回 河合隼雄学芸賞

〈選考委員〉岩宮恵子  中沢新一   山極寿一   鷲田清一(五十音順)

 

□授賞作□

 『落語に花咲く仏教-宗教と芸能は共振する-』 

(2017年2月 朝日新聞出版)

 

釈徹宗(しゃく・てっしゅう)

 

 

□著者略歴□

1961年生まれ。宗教学者・浄土真宗本願寺派如来寺住職、相愛大学人文学部教授、特定非営利活動法人リライフ代表。専攻は宗教思想・人間学。大阪府立大学大学院人間文化研究科比較文化専攻博士課程修了。その後、如来寺住職の傍ら、兵庫大学生涯福祉学部教授を経て、現職。『不干斎ハビアン 神も仏も棄てた宗教者』『おてらくご』『法然親鸞一遍』『親鸞の教えと歎異抄』『ブッダの伝道者たち』『落語でブッダ』『死では終わらない物語について書こうと思う』『仏教シネマ』(秋田光彦との共著)『聖地巡礼』(内田樹との共著)『70歳!』(五木寛之と共著)『お世話され上手』等、著書多数。

 

□授賞理由□

仏教の教えが笑いを通じて庶民の共振を呼び起こし、さらに自らも笑いものにするという日本仏教固有の位相を僧侶でもある著者が浮かび上がらせた。

 

□釈さんの受賞コメント□

連絡を受けて自分でもおどろくぐらい喜びに満たされています。選考委員の先生方にお礼申し上げます。大きな影響を受けた河合隼雄先生の名を冠した賞をもらう日が来るとは。

 

※正式な受賞の言葉や選評は「新潮」8月号(7月7日発売)誌上で発表いたします。

学芸賞のページはこちら

また、今年から「Webでも考える人」※でも授賞作を発表しております。

※現在は、サイトリニューアルし、「考える人」で引き続き掲載されております。

ぜひそちらもご覧ください!

これまでの河合隼雄物語賞の受賞者・授賞作

第1回 西加奈子 『ふくわらい』 (2012年8月 朝日新聞出版)

第2回 角田光代 『私のなかの彼女』 (2013年11月 新潮社)

第3回 中島京子 『かたづの!』 (2014年8月 集英社)

第4回 いしいしんじ 『悪声』 (2015年6月 文藝春秋)

第5回 今村夏子 『あひる』 (2016年11月 書肆侃侃房)

第6回 松家仁之 『光の犬』 (2017年10月 新潮社)

第7回 三浦しをん 『ののはな通信』(2018年5月 KADOKAWA)

第8回 該当作品なし

第9回 寺地はるな 『水を縫う』(2020年5月 集英社)

第10回 いとうみく『あしたの幸福』(2021年2月 理論社) 

 

それぞれの詳細は下記のボタン(1,2,3・・・)よりごらんいただけます

これまでの河合隼雄学芸賞の受賞者・授賞作

第1回 藤原辰史 『ナチスのキッチン 「食べること」の環境史』 (2012年5月 水声社)

第2回 与那原恵 『首里城への坂道:鎌倉芳太郎と近代沖縄の群像』 (2013年7月 筑摩書房)

第3回 大澤真幸 『自由という牢獄 ―責任・公共性・資本主義 ―』(2015年2月 岩波書店)

第4回 武井弘一 『江戸日本の転換点-水田の激増は何をもたらしたか』(2015年4月 NHKブックス)

第5回 釈徹宗 『落語に花咲く仏教-宗教と芸能は共振する-』(2017年2月 朝日新聞出版)

第6回 鶴岡真弓 『ケルト再生の思想―ハロウィンからの生命循環』(2017年10月 筑摩書房)

第7回 『土 地球最後のナゾ─100億人を養う土壌を求めて』(2018年8月 光文社新書)

 

それぞれの詳細は下記のボタン(1,2,3・・・)よりごらんいただけます

【重要なお知らせその2】河合隼雄物語賞選考委員に後藤正治さん、中島京子さんが就任されました

来る5月24日、第5回河合隼雄物語賞・学芸賞の選考会が開催されます。

 

重要なお知らせとは、河合隼雄物語賞の選考委員についてです。

 

賞の創設以来、ご尽力いただいてきた宮部みゆきさんが退任され、

ノンフィクション作家の後藤正治さん、

作家で第3回河合隼雄物語賞の受賞者でもあられる中島京子さんを

新たにお迎えする運びとなりました。

 

後藤正治さんは素晴らしい作品を多数生み出しておられるノンフィクション作家で

これまでに

『空白の軌跡―心臓移植に賭けた男たちー』で潮ノンフィクション賞(1985年)、

『遠いリング』で講談社ノンフィクション賞(1990年)、

『リターンマッチ』で大宅壮一ノンフィクション賞(1995年)、

『清冽 詩人茨木のり子の肖像』で桑原武夫学芸賞(2011年)と

数々の賞を受賞されています。

 

医療、芸術、スポーツなど多彩な領域に独自の視点から切り込んだ作品は

物語を通じて現実と私たちの体験を橋渡ししてくれます。

また、文化庁長官時代に河合隼雄にインタビューされたこともあるそうです。

(詳しくはこちらの記事を参照)

 

中島京子さんは、『かたづの!』で第3回河合隼雄物語賞を受賞された作家さんですが

この作品は同年、第4回歴史時代作家クラブ作品賞・第28回柴田錬三郎賞も受賞されています。

それまでにも『小さいおうち』で第143回直木三十五賞(2010年)、

『妻が椎茸だったころ』で第42回泉鏡花文学賞(2014年)、

『長いお別れ』で第10回中央公論文芸賞・第5回日本医療小説大賞(2015年)を受賞されるなど

華々しい受賞歴をおもちです。

 

話題作も多いので、それほど本を読まないという方でも中島さんの作品は

ご存じの方が多いのではないでしょうか。

 

「文学賞」ではなく、「物語賞」となっているように、

河合隼雄物語賞は作品の「物語性」を大切にしています。

新たなお二人の選考委員のお力を得て、

現代における物語とはどのようなものなのか、それがもつ力と豊かさについて

授賞作を通じて発信していきたいと思っています。

 

最後になりましたが

宮部みゆきさんには、明晰な洞察、物語への深い理解を通して

河合隼雄物語賞の船出を支えていただきました。

この場を借りて改めて心より御礼を申し上げます。

 

 

それでは、来週の選考の結果をどうぞお楽しみに。