河合隼雄『こころの読書教室』が新潮文庫より出版されました。
これは、『心の扉を開く』として、
岩波書店から2006年に出版された書籍が文庫化されたものです。

私は、自分の本を出したときは、
「読まなくていい」と言ってるんです。
「買うだけでいいんだから」って(笑)。

                   ――― 本文より引用

こころの読書教室

本書では、そんな河合隼雄が
「きょう、これからご紹介する本は、皆さん、是非読んでください」
と勧める本がリストアップされています。

そして、河合隼雄はそれらの本がどうして、どんなふうにおもしろいのか、
時に(たびたび?)冗談を交えながら語っていきます。

フランツ・カフカ『変身』、
村上春樹『アフターダーク』、
ルーマー・ゴッデン『ねずみ女房』、
大江健三郎『人生の親戚』
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「こんなオモロイ本、読みやぁ」
「読まな、損やでぇ」
河合隼雄の声に誘われて、
どの本から手にとってみようか迷ういっぽう、
不思議なことに、この一冊だけでもたくさんの本の世界を旅したような気分にもなるのです。

文庫化に伴い、加藤典洋さんが素晴らしい解説を書いてくださいました。